今日の検索語を見ていましたら、SCU-17で、WSJT-Xが送信できないという検索語がありました。ひょっとして私がお勧めしたために購入された方もいるかもしれないので、少し考えてみます。
「送信できない」にもいろいろあると思いますが、いくつか想定してチェックポイントを書いてみますね。
- SCU-17の電源が入らなかったり、デバイスドライバにシリアルポートが追加されない、または「不明なデバイス」と表示されている→1番
- 送受信の切替が動作しない(リグが送信状態にならない)→2番
- 送信状態になるが、出力が出ない→3番
- 送信状態になるが、パワーが振れているが、他のリグなどでモニターして出力音が変化しない(キャリアが出っぱなし)→5番
- リグの制御に失敗して警告ダイアログが出て送信状態にならない→4番、6番
また以下では、八重洲が販売している SCU-17 というデジタルモード用のインタフェースユニットと、WSJT-XというJT65系のクライアントアプリの話として書いていますが、SCU-17を他のインタフェースに読み替え、JT65-HF等のクライアントで同様の設定箇所と考えてもらえば応用は利くと思います。
1. ドライバーのインストールができていない
ドライバーのインストール手順を守らなかったために、ドライバーがきちんとインストールされなかったケース。
一度、デバイスマネージャーからSCU-17と思われるデバイスを削除の上で、SCU-17のUSBケーブルを取り外し、パソコンをリセット。その後、ドライバーをインストールしてからSCU-17を接続してください。
あるいは、慣れているなら、「ドライバーの更新」を選び、SCU-17のドライバーを選択してください。
もし、リグを買ってから長い間、データ端子やCAT端子にコネクターを挿したことがない場合、埃や汚れで接触不良になっていることもあるかもしれません。
それから、違う端子には差し込めないようになっているはずですが、念のため、リニアのコントロールやアンテナチューナーのコントロールに差し込んでいないかどうかなども注意してください。
2. ポートが違っている
SCU-17をパソコンに接続すると、ポートが2つ作成されます。今、手元にSCU-17が無いので具体的に書けないのですが、片方がデータ端子、もう片方はCAT端子にあたります。
PTTやFSKは、CATではない方の端子のDTR/RTSで制御します。
今一度ポートを確認してください。(同じポートを指定したり、あるいは逆のポートを指定していませんか?)
また、CATケーブルやデータケーブルに念のために「パッチンコア(クランプコア)」を取り付けるなどして、回り込みにも注意してください。
3. 送信状態になるが信号が送られない
オーディオ入出力の指定が間違っていないか確認してください。
また、音量の設定箇所のどこかで「ゼロ」になっていないか、パネル面のボリュームの設定も含めて確認してください。
4. CATで周波数が変えられない、エラーが出て制御が止まる
CAT端子のスピードを合わせているか、ポートは正しいかを再確認。もし、スピードを最大限にしている場合は少し落としてみてください。
また、データ送信時の音声信号の入力をリグ側で選択できる場合は、データ端子からになるように設定するなど。
FT450Dの場合は、モードはSSB(USB)のままで、背面データ端子でPTTをオンにすると、データ入力からの信号を送信するようになっていました。(リグのディスプレイには、受信時はUSB、データ端子からの送信時はUSB DATAと表示され、マイク入力は切り離されます。)
5. RTTYのFSK設定で送信しようとしている
もし、リグのモードをDATA/デジタルモードにしている場合は、デジタルモードの中身がRTTYのFSKになっていないか確認してください。多分、PSK向けの設定にすればデータモードでも大丈夫ではないかと思われます。
八重洲の取説で、データ通信モードの説明を読んでください。JT65の設定がない場合は、PSK向けの説明や、SSTV向けの説明を参照してください。それらがない場合はAFSKを参照してください。機種により、DATAでUSER-Uにしたり、USBモードでデータポートからPTTオンにするだけでよかったりすると思います。
RTTYの説明はナローフィルターやLSBの指定法とか、FSKジェネレータの説明があり、JTでは不要だったり、当てはまらない部分があるはずです。繰り返しますが、参照するならPSKかUSB設定でのSSTV、あるいはUSB設定でのパケット通信(TNC接続は除く)、AFSK+USBモードでのRTTY運用の説明が参考になります。
JT65ではナローフィルターを使わないことが多いと思いますので(少なくとも私は使っていません)、ナローフィルターが入らないように設定してください。
6. 複数のJT65クライアントソフトやMMVARIなどを起動している
オーディオ端子は共用できるはずですが、PTT端子やCATポートはそのままでは共用できません。一度、ハムログを含めて、WSJT-X以外のソフトを終了させ、シリアルポートの競合がないようにしてからWSJT-Xの設定してください。その上で、ほかに立ち上げるソフト(ハムログなり、他のデコードソフト)を起動、あるいはポートの共用をするように設定してください。ポートの共用はVSPE(virtual serial port emulator)が使いやすいです。ただし、WSJT-Xはリグの状態を取得するためのコマンド通信が多いため、ハムログと競合することが割と多いように感じます。
持っている八重洲のHF機が817と450だけなのですぐに回答できるのはこの2機種だけになりますが、それ以外の機種でも、マニュアルがウェブで公開されているものでしたら、コメントの形でご質問くださればわかる限りで調べて回答しますのでお気軽にご記載ください。
FT950でSCU17を使っていますが、COM10.COM15のポートができましたがどちらにしてもPTTが作動しません、何か設定があるのでしょうか受信は出来だしましたCOM15を使っています
PCはあまりよくわかりませんがアドバイスをお願いします。
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泉水様
まず、デバイスマネージャーで、”standard”がついているポートと、”enhanced”が付いているポートを確認してください。
参考:八重洲のインストールマニュアル
http://www.yaesu-wdxc.com/driver/comport/USB_Driver_Installation_Manual_Jpn.pdf
仮にCOM15がstandardだとします。
WSJT-Xの設定(Fileからsettingsを選ぶ)のRADIOのところで、お使いの機種を選びます。YAESU FT950を選んでください。
SCU-17と八重洲の機種では、SCU-17の初期設定ではPTTはRTSで制御しますので、PTT METHODのところでRTSを指定してください。
またもう一つのポート(enhancedの方)がCOM10だとしますと、それはCATのポートとして指定します。リグ本体の方にCATRATEの設定メニューがあるはずですので950のマニュアルを参照してCATRATEを設定してください。(初期値は4800とかの低い数字かもしれません)
そこで設定した数字と同じ物をWSJT-Xの設定でBaud RATEのところに設定します。
FT450だと、SSB(USB/LSB)モードのまま、後ろのコネクターのDATAのPTTを使って送信状態にするとUSB DATA(LSB DATA)で送信になりますが、この辺りは機種で違う可能性があります。950の取説でSSTVやPSK向けの設定の例のところか、RTTYをAFSKで運用する場合の設定例のところを見てモードを確認してください。
(私はFT450DではUSBモードを指定しています。他メーカーだとICOM IC7100ではDATAを指定していますが)
ここでWSJT-Xの設定のところの右下にあるTEST CATをクリックしてください。ボタンが緑に変わればただしく動いています。
続いてTEST PTTを押してください(PTTがオンになるだけで電波は出ないはずです。誤って無線機をFSKに設定しないようご注意を)。
これでPTTが動けば設定は終了です。
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JH8INFさんへ
返事が遅くなりました、
本日やっと使えるようになりました、結局RIGとWSJTとソフトをリセットしました、何故か原因はわかりませんでしたがRIGの設定もあったようです、
有り難うございました
JA4MEM
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