JT65/JT9入門の2: とりあえず受信してみましょう

前回は私の環境での実績を紹介して、さらにQSLとかアワードの話などを簡単に追加で記しました。

それをみなさんの手元でも確認できると1番わかりやすいと思いますので、まずは受信してみるのがわかりやすいと考えます。

メニューとか画面表示が英語なのでとっつきがわるいかもしれませんが、以下、このシリーズでは本家とも言えるWSJT-X(これを書いている時点での最新版は1.6ですが、そろそろ出てから半年になるので1.7RCが来ても良さそうです)を使います。

JT65は約180Hz程度の帯域を使うモード、JT9はさらに狭い30Hz程度の帯域を使うモードで、後者の方が数デシベル程度S/N的に有利なようです。

WSJT-Xの特徴

  • HF〜50MHzでよく使われるJT65モードとJT9モードの両方が使える(他にも自前ビーコンとも言えるWSPRや、EME?などで使われるらしいJT4モードなども使えますが、このシリーズでは取り上げません)
  • JT65では他のアプリと比べて信号の被りに少し強い
  • デコード結果にお化けが少ない
  • 本家なので送信内容の解釈結果などはこちらがスタンダード
  • 便利な機能は少し控えめ

WSJT-Xの他には、よく使われているものには次の3つがあります。いずれもJT65のみ対応です。

  • JT65-HF …開発が終了しており今後改善の見込みはない。混信に弱い。
  • JT65-HF HB9HQX版 …上記の独自性発展版。最近混信に強くなりつつあり、弱い信号のデコードには強いが、一部形式のメッセージのデコード結果が怪しかったりお化けが出ることがある。
  • JT65-HF comfort …ドイツの局により発展版が作られている前記JT65-HFの改良版です。ほとんど使ったことがないのでインプレは割愛します。

CQ誌の連載ではJT65-HFをまず取り上げているようです。
今後混雑も予想されますし、JT9に普及してほしいという希望もありますので、このシリーズではWSJT-Xを取り上げます。
また基本的にwindows版を取り上げます。linux/mac版もWSJT-Xそのものの操作や機能は同一ですが、オーディオデバイスや周辺ソフトのラインナップが異なります。現状ではwindows版が充実しています。

事前準備

必要なもの

  • パソコン(2012年頃以降のcore i3 CPU以上が良いと思います)
  • 受信機と必要に応じオーディオインタフェース
  • 受信機とパソコン(またはオーディオインタフェース)をつなぐケーブル

もし、pskやSSTV、またはAFSKでRTTY運用するためのインタフェースをお持ちならそれをそのまま使えます。
また2010年頃以降に出た無線機なら大体はUSBケーブルだけでパソコンと接続できると思われます。
もう少し古いリグだと、無線機からのオーディオ信号をパソコンに繋ぐためには、オーディオのケーブルが必要です。
スピーカー端子からパソコンのマイク/ライン入力にケーブルをつないでください。

リグをUSBでパソコンに繋ぐ方法はリグの取説を参照してください。
デジタル通信用のインタフェース(例えば八重洲のSCU-17など)の場合は、インタフェースの取説を参照してください。

この回では送信のための制御までは行いませんので、オーディオだけパソコンに取り込めれば十分です。

インストール

http://hamapps.com/

をアクセスしてください。ちなみにこのページは、シリーズのあとの方で取り上げる予定のJTalertを配布するページです。最下部に、すべて英語版ですが、WSJT-X、hb9hqx版、comfortのダウンロードページへのリンクが掲載されています。

WSJT-Xはこちら。

http://physics.princeton.edu/pulsar/K1JT/wsjtx.html

インストールの途中でKAVデコーダーのインストールについて質問された時はインストールする方を選択して進めてください。
インストーラーではライセンスの関係で個別インストールしなければならないことになっていて一手間かかります。

インストール手順は、jh4vajさんがちょうど作成してくださいましたので、こちらをご参照ください。

JT65入門(WSJT-Xのインストール)

 

時刻合わせソフトのインストール

大体プラマイ1.5秒程度以内の精度に常にパソコンの時計を保つ必要があります。
時計があっていないと、いくら強い信号でもデコードできません。

国内外でNTPというプロトコルを使った時計合わせソフトがありますので適宜インストールしてください。
XP時代の古めのソフトでも問題無く使えるものが多いのですが、管理者権限がどうのなどうるさいものが多いので、win 8や10に対応している、なるべく新しいソフトがいいでしょう。
私が使っているのは「iネッ時計」というものですが、油断すると余計なプラグインがIEに入ったり、特にWin8以降では管理者起動しなければならないのでオススメしがたい部分があります。

vectorで探すならこのあたりのソフトです。

http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/personal/tokei/tool/

※もしおすすめソフトがあればコメントなどにご記入ください。ソフト名、バージョン名など書いてくだされば探しに行きます。

 

受信にあたってひとまず最低限の設定をしておく

細かいところはいずれ設定し直すことにして、最低限の設定をします。

プログラムを起動してください。

最初の起動だと何も設定できていないので「Rig Control Error」が表示されます。その画面でOKを押すとSettingsダイアログが表示されます。(Cancelを押すとプログラムが終了します)
自局のコールサインとグリッド

最初のセットアップ-コール

必須はMy Call と My Gridの部分です。皆さんのコールとグリッドを設定してください。

※くれぐれも私のコールは設定しないでください!!!

グリッドはたとえばこんなサイトで求められます。

http://knd.sakura.ne.jp/mxn/tools/gl/map/index.html

 

その他のオプションも上の図の通りをおすすめします。
次にRadioタブを選んでリグの設定をします。

ここではオーディオしかつないでいませんので、RigではNone、PTTではとりあえずVOXでも選んでおいてください(送信機でVOXを有効にしない限りこれでも送信されません)

最初のセットアップ-radio

 

オーディオ入力の設定はみなさんがどの端子にオーディオをつないだかによって変わります。私が今これを書いているパソコンだと無線機自体がオーディオインタフェースに見えるので下記のようにしています。

最初のセットアップ オーディオ

マイク端子につないだ方なら「マイク入力」になるはずです。また送信は当分しませんから、Outputでは、PCのスピーカー出力にでもしておくと誤送信しても信号が外に出ないので安心でしょう。

余談ですがオーディオデバイスは新しい物をつないだら、プロパティを表示してデバイスの名前をわかりやすいものに変更しておくことをおすすめします(上記のIC-7100とかも、私が自分でつけた名前です)。

 

Reportの設定

ここは今の時点では外部にReportしないようにしておくのが良いと思います。

最初のセットアップ reporting

赤は実は今の時点ではチェックしてもしなくても変わりません。

青はできれば最初ははずしておいてください。というのは、PSK Reporterといいますのは一種のDXクラスターで、ここにチェックを入れると受信してデコードした信号を信号のS/Nおよび受信バンドをスポッティング(アップロード)します。

今の時点ではリグとアプリの設定周波数が常に一致しているわけではないので、誤ったバンドでPSK Reporterにアップロードしないようにチェックを外しておくことをすすめます。(上は私の運用状態ですのでチェックが入っています)

ここまで設定が終わったらOKをクリックして設定画面を終了してください(再度いじりたいときは、FileメニューからSettingsを選ぶと呼び出せます)。

 

オーディオ接続ではレベル合わせは三箇所で行う

その三箇所とは、無線機側の出力(AFボリューム)、ウィンドウズのマイク入力のボリューム、WSJT-Xの設定の三箇所です。

オーディオは歪ませたらアウトですので、基本的には

後ろのボリュームは可能な限り上げて、絞るならより前の方のボリュームで絞る

ようにするといいです。つまり、受信においては

無線機のボリューム
マイク入力
WSJT-X

という信号の流れで、なるべく上流側(前段側)で絞るということです。
ただし、あまり極端にボリューム設定の差が出るとそれも扱いづらいので、すべてを同じくらいずつにするのも1つの考え方です。

※※※送信の場合は逆に無線機側を大きめのゲインに設定しておいて、信号を発生する側(=上流側)にあるパソコン側を調整します。別な回で詳しくやります。

 

7.041MHzあたりに受信をセットし、アンテナなどをチューニングした状態にします。
JT65/JT9の運用では、モードは常にUSBまたはDATA-UやUSB-DなどのUSB側を使ってください。

WSJT-Xの左下のスライダーを真ん中くらい、ウィンドウズのマイク入力のプロパティからマイクの入力レベルを真ん中くらい(50)にして、リグのボリュームを調整し、WSJT-Xの受信のレベル表示が、無信号時(毎分の52-59秒が確実)で30-40dB位になるように調整してください。

オーディオの設定

録音デバイスは、右下のスピーカーアイコンを右クリックしてメニューから選びます。

つながっている録音可能デバイスが全て表示されるので、無線機をつないだものを選んでプロパティをクリックし、「レベル」タブを選んでください。

入力のプロパティ

音量の調整は、この図の青で囲んだスライダー2つと無線機の側の出力ボリュームで調整します。

えーとこの画面での設定値を見ると、先に私が書いた「上流で絞って下流で上げるになってないじゃん!」と言われてしまうかもしれません。弁明しておくと、実はWSJT-Xの入力レベルにあわせてこの「マイク」のスライダーや、無線機側の出力で調整して、WSJT-X画面のボリュームがもっと上になるようにしたところ、他の受信系ソフト(KG FAXとかMMVARIやらMMTTYやらWinWabler、FL digi)では入力レベルが小さくなりすぎたため、試行錯誤の上、このような設定になっています。

 

もしすでにPSKやRTTYなどを運用している方は、そちらのソフトでレベルをある程度合わせていると思いますので、WSJT-Xで変わるところだけ調整すればオーケーです。mmvariなどで合わせられている場合、多分WSJT-X画面上のスライダーがかなり低い位置になると思います。

WSJT-Xが最初のデジタル系のソフトでしたら、とりあえずはボリューム設定を好きなところに合わせてもOKと思います。とにかく、受信音をPCに取り込んだときに音が歪むことがないように、いずれの場所でも上げすぎないことを意識してください。

 

この調整をしながら、時計があっていて、運用局がいれば毎分52秒頃に何か文字列がデコードされてパラパラと表示されているはずです。

日没から日の出までは7.076MHzでの海外交信、日中や、夜のEsの時などは7.041での国内。
その他DX局が見たい場合は、14.076、18.102、21.076あたりが運用局が多いと思います。

無線機側のメモリーに余裕があれば、上記の周波数とモード(USBかUSB-DとかDATA-Uなど)をとりあえずメモリーしておくと良いかもしれません。PCから無線機の制御ができるならCATやCI-Vで制御することで、無線機のモード・周波数を自動設定できるようになります。

WSJT-Xの簡単な操作説明

まず、ModeをJT9+JT65としてください。

wsjt-x3

次に、ウォーターフォールの調整をします。

wsjt-x2

ここでは主に二つ調整します。一つが、上図で赤表示の部分で、これはウォーターフォールの横方向の解像度を設定します。

「JT65 1500 JT9」の部分は、JT9のデコード対象にする周波数の境目を決めます。

パソコンにパワーがあるならここは500くらいでOKです。ノートPCなどの場合は、上に上げた方がよいです。

JT65は各バンドの設定周波数(たとえば18.102)から、+2.5kHzあたりまでで主に交信がおこなわれています。この周波数(ここではリグに設定する18.102)をQRGと呼んでいます。

JT9は、同じ基準の周波数なら 18.102の+2.5~+4kHzあたりでおこなわれます。

通常のSSBの受信機の場合は帯域が3kHzくらいですから、18.102にQRGを合わせている場合、このウォーターフォールでは18.102~18.105が表示されています。

この画面ではJT9の信号が出てくるとしたら、+2500のあたりよりも上になります。

もっと上の周波数を受信したい場合はQRGを+1kHzまたは+2kHz程度増やしてやると、受信範囲がかわります。この時にJT9をデコードするには、この境界線を 1500, 500 のあたりに設定する必要があります。

下に示すウォーターフォール(クリックすると等倍)では、QRGを14.077にセットしています(受信だけなら3,4アマの人でも14MHzに設定して差し支えありませんが、送信してはいけません)。赤で囲った物がJT65の信号、緑がJT9の信号です。私はこれくらいのQRG周波数で運用することが多いです。

そして使い回しですみませんが、操作部分のボタンの主な機能は図中に示す通りです。とりあえず受信するだけなのであまり操作する場所はありませんが、もし、間違えて送信状態にしてしまった場合は「Halt Tx」を押してください。

 

デコード結果の読み方はこちらを参照してください。

https://jh8jnf.wordpress.com/2016/06/10/jt65jt9入門の2の補足:デコード結果の読み方/

JT65/JT9入門の2: とりあえず受信してみましょう」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: JT9はこれ? | jh4vaj
  2. ピンバック: WSJT-Xの設定 | jh4vaj

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