JT65/JT9入門の2の補足:デコード結果の読み方

前回、デコード結果の読み方について説明できませんでしたので説明します。

まず、前回紹介のオプションを設定している状態で受信すると、下記のような雰囲気の画面になるはずです。

交信

 

そのときのウォーターフォールと、再掲のオプション画像は次の通り:(クリックすると大きい画像を表示)

オプションを簡単に説明します。

  • Blank line between decoding periods: 1分ごとの期間の区切りに”—-“を表示します。
  • Tx messages to Rx frequency window: 交信している場合に、”Rx Frequency”の側の表示エリアに自分が送信したメッセージも表示します。
  • Show DXCC entity and worked before status: CQを出している局のデコード結果を表示する際にプリフィクスからわかるDXCCエンティティの情報と、以前にQSOしたかどうかの区別を色で示します。
  • Runaway Tx watchdog: CQを出しっぱなしにしてしまったときに5回でCQ送信を停止します(ここまでの説明では送信の事は考えていませんが、相手コールを指定しない状態で誤操作で送信になった場合にはCQが送出されるため、保険の意味で入れています)

その他のオプションについては交信の仕方について記述する時に記載します。

 

一番上の画像の、下側4行のテキストを抜粋します。

———————————— 40m
1100 -9 1.1 1794 # JCC1803 TU 73
1100 -13 0.3 1037 # JG1JVI JS6LDU PL36
1100 -21 1.1 1254 # CQ LU3ADP GF05 ~Argentina
1100 -13 0.2 1473 # JA3QOS JH6WWY -01

まず、”—- 40m”は、オプションが挿入した区切り線です。

以降はこんな内容が並んでいます。

UTC時刻 S/N DT(自局との時計のずれ) DF(周波数) JT65/JT9の区別 受信したメッセージ (CQの時にはDXCC)

たとえば、これらはすべてUTCの1100に受信した内容であることがわかります。

次のS/Nを見ると、一番S/Nが悪いのが “CQ LU3ADP GF05″です。

DTを見ると0.2~1.1秒のずれがあることがわかります。

DFはそれぞれのものが表示されていますが、デコードの表示順にちょっとだけ注目です。基本的には低い方から高い方に並んでいますが、Rx Frequency(ウォーターフォールの緑)のあたりに信号があってデコードできた場合には、各period(期間)ごとの一番上に表示されます。

その次にある “#”は、二種類の文字のいずれかが表示されます。”#”と”@”です。”#”はJT65の信号であることを示し、”@”はJT9であることを示しています。この受信例だとJT65しか現れていません。

メッセージは大体次のフォーマットです。

宛先コール 送信元コール その他の情報

たとえば上に引用したメッセージのそれぞれは、次のような意味です。

1100 -13 0.3 1037 # JG1JVI JS6LDU PL36

JG1JVI局にあてて、JS6LDU局から自局のグリッド(PL36)を送信しています。

これはCQへの応答や、特定局の呼び出しに使う形式です。

どちらかのコールサインがいわゆるポータブルコール(JH8JNF/1とかW6/JH8JNFとか)だとグリッドを含められないことがあります。

 

1100 -21 1.1 1254 # CQ LU3ADP GF05 ~Argentina

CQ呼び出しをLU3ADP局がしており、自局のグリッド(GF05)をつけています。最後の ~Argentinaは、LU3というプリフィックスからWSJT-Xがこの送信局をアルゼンチンと判定して出力されています。

 

1100 -13 0.2 1473 # JA3QOS JH6WWY -01

JA3QOS局にあてて、JH6WWY局がレポート(S/N)を送っています。

コール以外の情報が長くなる場合、自局コールを省略して送ることがあります。

 

基本的なQSOの流れはこんな感じになります。仮に私がQN23からCQを出して、それにJS8XYZという局がPM95(関東地域ですね)から応答してきたという想定シナリオです。

CQ JH8JNF QN23

JH8JNF JS8XYZ PM95

JS8XYZ JH8JNF -01

JH8JNF JS8XYZ R-20

JS8XYZ JH8JNF RRR

JH8JNF JS8XYZ 73

(CQに戻る)

3行目も4行目も相手のレポートを送信しています。4行目のレポートについている”R”は、送られたレポートを「了解(R)」したという意味です。

5行目のRRRは、”R-20″を了解したという意味です。ここをRRにしたりRにすることもあります。

流れからするとコールした側から73がきたら、もともとのCQ局はCQに戻ることが想定されているのですが、あまりにぶっきらぼうにも感じるので、CQではなく73を送り返したりします。また上記の5回目のところでR73などと了解とファイナルを入れてくる場合もあります。

5行目と6行目は、各局がいろいろなメッセージを工夫しています。国内局で特に多いのはJCCやJCGコードを送信するケースです。今まで私が受けた中で変わったものだと

QTH E7 JN94JV

というものがありました。最後にE7(ボスニア)でJN94JVというグリッドという送信でした。

それをもとに、一番上の画像の右側にあるメッセージを読み解いてみてください。

※コールにぼかしをいれることも考えましたが、わかりづらくなるのでそのままにしています。消してほしい方がいらしたらご連絡いただければサフィックスにぼかしをいれます。

JT65/JT9入門の2の補足:デコード結果の読み方」への16件のフィードバック

  1. 通信情報はどう見るのだろうと思っていたら、早速こちらの記事。助かります。
    これに関して少々質問です。

    JS8XYZ JH8JNF -01
    JH8JNF JS8XYZ R-20

    の、「-01」や「R-20」はどういう意味でしょうか?
    お時間のあるときにでも教えてやって下さい。

    いいね

  2. jh4vaj様:

    >3行目も4行目も相手のレポートを送信しています。4行目のレポートについている”R”は、送られたレポートを「了解(R)」したという意味です。

    です。つまり、送り手のところでの相手局のS/Nをレポートとして送信しています。
    -01は -1dB
    -20は -20dB
    です。
    R-20は、-01というレポートを了解(R)して、-20というレポートを送信しています。

    いいね

      1. これもあとで追加しておいた方がよさそうです。昔ながらのRSレポートと同じような「信号強度」は送らずに、信号とノイズの比だけおくるのです。もちろん、信号が強ければS/Nもよくなりますが、かといって、信号が強い方が常にS/Nが良いとは限らないのがいやらしいところです。
        また、受信側の環境にも依存しまして、ノイズが多い環境だとS/Nが劣化します。

        ここで出したイメージは、しょぼいアンテナで北海道から送信したら関東では -20dBと、デコードできるぎりぎりくらいの状態で受信出来たというイメージです。

        また、JT65だとS/Nの最大値は -1dBで、これ以上に良いレポートはありません。JT9の場合には+(プラス)の値のレポートがありえます。

        いいね

          1. jh4vajさんのページもこの間拝見しました。
            わたしは使ったことがないTSSとの応対が興味ありました。実況中継しているみたいで面白いです。

            いいね

  3. この例ですと、送信機のパワーの差がとても大きいとか、関東ではノイズ多かったり、QRMがひどかったりしてSNRが良くない、という感じです。わたしもこの前-03/-24というのがありました。

    ソフトの設定ですが、CQの出しっぱなしもありますが、同じ局相手の73を何十回も送っている局も見かけます。
    わたしはこちらの方もチェックを入れております。

    関東の例でしたら、よろしかったらわたしのコールサインJF1FAOをお使いください。問題ありません。

    いいね

  4. 根岸さん、それでは今度例を作るときにお借りします。
    disable TX after 73・・・はこれまでCQを出す側の事が多くて使ったことがありません。
    なので73の判定がどこから有効なのかがよくわからないのですが、[73]のボタン以外の場合、
    つまりFree Msgで73を送った場合にも有効ですか?

    交信イメージはパワー差とノイズのイメージですね。あとは受信側でHB9HQX版だと混信でS/Nが大きく下がることがあるのは確かです。

    (余談ですが、関東局よりも、この現象はある地域の国の局とQSOするとよくこういう現象に出会いますが
    国名はここではとぼけておきます)

    いいね

    1. 今説明書きを確認しましたが73かFree Msgを送った後で送信停止ということなんですね。
      自分の運用法では使うシーンを思いつきませんが、運用方法次第では有効そうです(だからオプションとしてついているのだと思いますが)。

      後の方の交信の回でオプションの説明に取り上げます。

      いいね

  5. CQを何回も出すのはまだ分かりますが、同一局への73を30分も送ることはないと思います。
    玄関のピンポーンとか、電話の着信とか、何らかの事情があって送信機の前を離れたものと思われます。そういう時に、disable TX after 73 のチェックが役に立つと思います。

    SNRの差ですが、もうひとつの原因としてソフトによる差がありました。
    WSJT-XやHB9HQXがどのようなアルゴリズムでSNRを算出しているのか分かりませんが、経験的に差があります。わたしの場合は、WSJT-Xの方が甘いというか、SNRが良いことが多い。90%くらいは、6-10dBくらい良い数字を示します。9%はほぼ同じくらいになり、1%以下の確率でWSJT-Xの方が悪いケースがあります。
    1%以下というのは混信がひどかったり、スーパーローカルや人口の多い隣国の局が強力な送信をしている時のように思います。

    いいね

    1. 根岸さん、ファイナルに関してはその通りです。
      ただし、ロギングして相手コールをクリアする様にしておくと、次の送信はCQになります。それが身につくと少なくともfree msgなどを連続送信というのは起こりづらくなります。

      私の場合は呼び合いだと負け続けるため、CQを出す場合が多いので、free msgでの送信offは使っていません。
      また最近はポータブルコールだとHB9HQXからCQで残りはWSJT-Xというのが殆どで送受信制御は両方で手動必須です。
      運用次第というのはそういう事です。

      いいね

    2. それからソフトによるS/Nの違いは確かにあります。私のところでは多くの場合はどっちもどっちです。
      ただ、-10dBよりも良い数字はWSJT-Xの方が出やすい気はします。
      被りがあるときは、HB9HQXの側では弱い方の局が極端に悪くなりますね。

      いいね

  6. ご無沙汰しております。

    WSJT-Xに限った話では無いのですが、交信シーケンスについてたまに悩むことがあります。
    それはCQ局へ応答した場合の時、交信が進んでこちらから、たとえばR-20と送信した後、(CQ局からの)R73、RR73、あるいはRRRなしで73だけが戻ってきで終わってしまう場合ですね。

    まあ全体状況から考えてQSO成立とみるのが普通かもしれませんが、SNが悪い時(-23dBとかそれ以下の場合等)などは、こちらの信号がデコードできなくなって<もうやめ~た>という73なのかなと考えたり・・・

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    1. こんばんは。その後例の計画の方は如何でしょうか?
      さて、もし了解出来ていない場合、通常なら一つ前の内容の再送が来ると思います。R-20の前でしたら、(たとえば) JI1DFO JH8JNF -23 のような内容です。
      あまり気になさらなくてもよいのではないかと思います(そして気にしたところでどうにもできません)。

      いいね

  7. ピンバック: WSJT-Xの設定 | jh4vaj

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