JT65/JT9入門の4: デジタルモードインタフェースとは

今回から数回にわたって、アマチュア無線のデジタルモード用インタフェースについて説明していきます。

今回はデジタルモード用インタフェースそのものについて、事前説明的な内容を記し、調達や以降の接続などの説明のための参考情報としていただきたく思います。

デジタルモード通信の実現法

ここで取り上げるデジタルモードはJT65/JT9を中心に、RTTY(FSK/AFSK)、PSK、SSTVとします。
最近は運用局は少ないようですが、FAXもこの範疇に入ります。

RTTYのFSKとは、送信機にFSKの送信機能が備わっている場合に、外部からキーイングしてRTTYの信号を送信する方式です。キーイングによってキャリア周波数が高低切り替わり、周波数変調が実現されます。
AFSKとは電話系の通信モードで変調オーディオ信号を高低させてRTTYの信号を生成します。

JT65/JT9、PSKやSSTVはAFSKと同様に、変調用のオーディオ信号を電話系の通信モード(通常はSSBを使いますが、モードによってはAMやFMでも実現できます)に入力して、目的の信号を作り出します。

オーディオ入出力機能

ここまでで書いた通り、デジタルモード用のインタフェースには、少なくとも変調用のオーディオ信号をパソコンから受け取って送信機に出力する機能が必要です。

また受信時には、復調された「変調信号」を復号する必要があり、現在はパソコンで復号することが大変に多くなっています。そのため、受信して復調したオーディオ信号をパソコンに取り込むため、受信機のオーディオ出力をパソコンに入力する機能が必要です。

パソコン本体にもオーディオの入出力機能が備わっていることがほとんどですが、ノイズの点で具合がよろしくない場合が多いので、できればドライバートランスで直流的にパソコンと無線機の間をアイソレートしたインタフェースが望ましいです。

送受信切替機能(PTT制御)

次に送受信の切り替えについて考えます。1番原始的な方法は、オペレーターがリグの送信切り替えスイッチやマイクのPTTなどを直接操作して送受信を切り替える方法です。
次にそのスイッチをパソコンから直接on/off制御する方法があります。
また電話系のモードのVOX機能を使って、デジタルモード用の変調信号がリグに入った時に送信状態に切り替える方法があります。
もう1つ、無線機の機能をパソコンから制御できる機種の場合は、送信状態受信状態への切り替えコマンドを送り込んで送受信を切り替える事もできます。

どの方法を使うのが良いか、またはどの方法を使わなければならないかはお使いの無線機にもよりますし、またJT65/JT9以外にその無線機でやりたいことにもよります。

ただ、少なくとも手動での切り替えはあまり現実的ではないとお考えください。そのためデジタルモード用インタフェースには何らかの送受信切り替え機能が付いていることが望ましいとご理解下さい。

無線機の機能の制御機能(CATとかCI-Vとか)

そして少し前後しましたが、無線機の機能をパソコンから制御するためのパソコン〜無線機間の制御用の通信機能もできれば欲しいところです。これが付いていると、通信ソフトでバンドを切り替えたり、モードを切り替えたりすると無線機が自動で設定を変更してくれるようにしたり、あるいはログソフトにデータを入れるときに周波数やモードを取り込んだりしてくれて操作が楽になります。

日本の三大ハム用無線機メーカーでは八重洲とケンウッドでCAT、ICOMでCI-Vなどと呼ばれているようです。ここでは記述を簡単にするため、CAT接続と総称することにします。

もともとがRS232Cで接続してコントロールされてきたためだと思いますが、未だにシリアルラインでの接続がイメージされています。38400ボーでストップビット2, パリティ0, データ長8とかいうパラメーターのセットをパソコン・無線機の両側で行った上で、やりとりするコマンドをメーカー・機種に合わせたものにする必要があります。

つまり、シリアルポートのレベルではメーカーや機種による差はあまりなく(スピードやストップビットは違うかもしれない)、そこをそろえた上でやり取りされるデータ(コマンド)や無線機からの応答がメーカー・機種により異なるだけです。

WSJT-Xに限定してかけば、シリアルポート(Comポート)の接続(スピード、ストップビット、パリティ)で無線機とパソコンで設定をそろえてあれば、あとはWSJT-Xでメーカー・機種名を選ぶだけで設定が終わります。

(正直、ハムログで無線機とハムログを連携させるより簡単です)

 

ここまで書いた内容を簡単にまとめます。

  • オーディオ入出力…ほぼ必須
  • 送受信切り替え機能…PTT制御がついていた方が対応範囲が広がって良いが、CATやVOXで代用できることがある
  • CAT機能…必須ではないが、つないでおくと色々と便利
  • FSK(/CW)キーイング機能…RTTYやコンテストなどのCWの送信をやりたい方は付いている物を選んでおくと良いがJT65/JT9には不要

市販のインタフェースを探す前に

もし2010年頃以降発売になった無線機をお使いの場合は、無線機本体にデジタルモード用のインタフェース機能を内蔵しているものがあります。

例えば今日(2016/06/16)現在各社のウェブサイトの製品情報として掲載されている現行機種だと、以下の機種はインタフェース機能を内蔵しているようです。

  • ICOM 7851, 7850, 7600, 7410, 7300, 7200, 7100, 9100
  • JVCケンウッド 990, 590(G)
  • 八重洲 3000, 991

※私の見落としもあるかもしれませんので、念の為にお持ちの無線機の取説などをご確認ください。

インタフェース機能を内蔵している機種の場合は、必要なドライバーソフトをインストールした上でUSBケーブルでパソコンに接続することで、別途のインタフェースを必要とせずにオーディオ接続・送受信切り替え・無線機の制御ができると思います。

 

外部のデジタルモード用のインタフェースが必要な場合

お使いの無線機にデジタルモード用インタフェース機能がついていない場合、市販のサードパーティの物や、八重洲の場合は純正の外付けのインタフェースがラインナップされています。

お値段もピンキリです。

選ぶ場合は以下に注意しつつ、お財布との相談をなさると良いと思います。

  • オーディオのアイソレーション(トランス)
  • 制御線のアイソレーション(フォトリレー・フォトカプラー)
  • PTT機能の有無

eBayなどで売られている格安のインタフェースでは、CATとオーディオのみでPTTが付いてなかったり、アイソレーション用の部品が付いていないためにノイズを無線機側に送り込んでしまったりすることがあります。

また汎用タイプのサードパーティ製を選ぶ場合は、無線機への接続ケーブルとして、お使いの無線機用の物が売られていることを確認してください。(もちろんケーブルを自作しても良いのですが、コネクターの半田付けは結構面倒です。特に八重洲のFT817などで使われているmini DIN 8pinなどはかなりの拷問です)

八重洲の無線機の場合はSCU-17がオススメです。何といっても純正の組み合わせですので、接続に必要なケーブルも純正オプションで揃います。
また出力端子は普通の232Cのコネクターで、PTT/FSKやオーディオ入出力はステレオミニジャックでも出力されているので、他メーカーの機種にもつなげます。

他のメーカーでは、リグブラスターとかUSBIF4CW gen3など色々あるようです。

自作される場合はUSB-TTL変換ケーブルと高くないサウンドデバイスを組み合わせるなどで自作できます。

このブログでも割と簡単に作れるFT817用のインタフェース(なんちゃってインタフェース)について紹介しています。

それから一つ注意ですが、今はWindows系のOSは7/8系から10への過渡期です。格安に売られている物の中には、Win8.1やWin10ではデバイスドライバーが対応していないものもあり得ます。対応OSについては十分検証してください。

MacOSの場合も、先日OSXからmacosへの進化の発表がありました。アップルは割とあっさりソフト互換性を捨てる傾向があります。マックユーザの方は念のためご注意ください。

個人的にはWinもMacもUnix系も全部それぞれで好きなところも嫌いなところもありますが、アマチュア無線系のソフトに関してはWindows系が最も充実していると言わざるを得ないように感じます。

PC上のSDR

SDRの場合は仮想ポートを作成するなどして、CAT制御やPTT制御ができるようです。
この部分については私自身まだ未経験の部分が多いので今回は説明の対象外とさせてください。(例の格安のRTLドングルで少し遊んだことがあるだけで、外部からの制御までやってみたことがありません)

お使いのSDRソフトでOmniRigなどの外部ツールを使って周波数の制御などが可能かどうか、Googleなどで検索されてください。

たとえばHDSDRなら、こんなサイトがありました(googleで HDSDR com port と検索)

https://sites.google.com/site/g4zfqradio/hdsdr_digi-modes

どこまで粒度が細かい制御ができるかはわかりませんが、WSJT-Xと組み合わせて使う場合、できれば周波数の設定と、モードの切替があれば、この順序でうれしいと思います。

アナログVFOの古いリグの場合

周波数の安定度などの面でちょっと不利です。イメージとしては70年代後半から80年頃までのリグというイメージです。CATでの制御にも対応していませんからバンド切替やモード切替、周波数設定など全て手動です。

1時間ほどウォームアップしてやればその後は30分で50Hzとかそんなもんでしょうか。固定チャンネルとしてクリスタルを入れられればその方が良いかもしれません。

私が使っていたTS820はフォーンパッチ端子があり、デジタル系の変調信号はそこで入出力できますが、周波数安定度ではちょっと不利だと思っています。比較的短時間の送信を繰り返すRTTY/FSKなどではこれでも十分だったのだろうと思われます。またRTTY系のソフト(MMTTY)ではAFC機能もありますから多少のドリフトはOKでしょう。

JT65/JT9の場合、定格の30~50%程度で連続50秒ほどの送信中に電源の安定が悪いのか、周波数が下がる局、下がってから上がる局などを希に見かけます。多少の変動はWSJT-Xで自動でおいかけてデコードできるのですが、あまりに動く場合はデコード不可になることがあります。

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