伝送線路タイプの1:4バランをトロイダルコア一つで

トロイダルコア活用に出ている幾つかのバランの形式の内、あまりはっきりとどれ位のインダクタンスで巻けと出てこない形式のものがあります。

それが二本の伝送線路トランスを、片側で並列、反対側で直列にするタイプのものです。一冊しっかり読むと、以下のような感じかと思います。

  • 入出力のアイソレーションが高い方が良い
  • 低い周波数では、線路の特性インピーダンスの5倍ほど程度はリアクタンスが欲しい
  • 線路長は1/20 λ以下を目安にする

フロートバランのところで、特性インピーダンスの60倍という数字が出てますので、アイソレーションをしっかり確保するなら線路の60倍の大きさのリアクタンスとなるようにするのが、この本での測定の結果だと記憶しています。

この形式のトランスは、この本の書き方に沿ってトロイダルコアで作ると、コアを二つ必要とします。

さてこっからが本題ですが…今年の春頃にツイッターで若い方がコア一つで1:4バランを使ってらして、それが結線を追いかけると、バイファイラで二線で作る1:4トランス(UNUN)ではなく、伝送線路タイプのをコア一つで作ってるっぽい。

それでお聞きすると、某ショップが販売しているバランキットの回路のコピーとのこと。そのショップのサイトで組み立て説明書がダウンロード出来たので中身を確認したら回路図が出てましたが、どうにも不思議な感じがしまして、それから数か月、時々思い出して動作を考えてみましたが「これはアイソレーションが足りないんじゃないの?」と考えるに至りました。

まず、元々のトロ活などで出てくる回路はこんな感じです。

この図の1:1のトランスを使っているパターン。

フロートバランの動作をおさらいすると、二本の線に流れる電流を同相分と差動分に分けると、差動分による磁界は相殺されるのでリアクタンスは生じず、同相分はリアクタンスが発生するのである大きさ以上にすると同相の電流を差動分よりも十分小さく出来る、というものと理解してます。

さて、ここでコイルの巻線の方向と、電流の流れで生じる磁界の方向についておさらいしますと次の図の左上のようになると思います。

右ネジの法則とかでやった話ですね。

さて、この二つのコイルのそれぞれを単一のコアに巻き付けてみたとします。同相分による磁界の方向が揃うようにすると上図の左下のようになります。

巻き方は左右ともに、「外側から内側へはコアの上の面を通り、内側から外側へは下の面を通る」ように、図の下部から巻いているものとします。点線はコアの下側を通っています。

さて、もし、片側を逆巻きとすると、発生する磁界の方向が逆向きになります。

以下、もし間違えていたらご指摘ご教示いただきたいのですが、この二つを同一のコアに巻いたとすると、図の巻き方では磁束がありますから同相分にはリアクタンスが生じ、図の上側においては差動分よりも小さくなってアイソレーションが確保できるはずです。もし、片側の巻き方を図とは逆向きにしたとすると、二つのコイルによる磁界は相殺されるので同相分にはリアクタンスが発生しないことになりますよね。

それを踏まえると、コア一つで伝送線路タイプの1:4バランを作ろうとすると、コイルの巻き方は、上の図の右のような巻き方になるはずです。

その際、磁束の向きが同じになるように二つのコイルがありますので多分誘導で反対側に電圧が生じ、結果として、コア一つにコイル一本の場合よりもアイソレーションが悪くなる方向に作用するのではと思います。

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