検索語:「昔の2アマ」

ウィキペディアなどて確認していただくと経緯がいろいろ出ていますが、「2アマ」には現行2アマと「旧2アマ」の2つがあります。

戦後1951年にアマチュア無線が日本に解禁された後、当初は1アマと2アマだけだったそうです。ただし、この2アマは通信術の試験がなく、いわゆる入門用の資格でした。

その後、1958年に入門資格として電信級と電話級アマが作られ、その時に2アマは上級資格となりました。
それ以前に取得された「旧2アマ」は通信術の試験がなかった為、この年からは「電話級」の扱いとなりました。

ただし、これに伴う移行期間があり、旧2アマは1963年までの5年間で通信術の試験に合格すれば新2アマ(現行の2アマ)を取得できました。

その後1989年には電信級電話級がそれぞれ3アマ4アマとなりましたが、1963年以降は基本的に4つの資格に変更はなく、操作範囲のみが拡大されて現在に至ります。

たとえば新2アマは1958年当初は8Mc以下28Mc以上、100W以下でしたが、1961年に周波数の制約が無くなり14,21が開放されました。
同じ1961年に電信電話級にも21,28Mcが開放され、約20年ほどこの操作範囲の時代が続きました。

余談ですがいわゆるWARCバンドはWARC-79でアマチュアに10/18/24の帯域を割り当てる決定がなされ、段階的に開放が施行されて行きました。

1982年には入門資格の電信電話級にも特殊なモード(RTTYやFAX、SSTV/ATVなど)が開放されました。

1989年には電信電話級が3アマ4アマに呼称変更され、さらに3アマに18MHzが開放されるとともに空中線電力上限が25Wに。

1995年には2/3/4アマの空中線電力上限が現行のHFで200/50/10、VUで200/50/20に変わりました。(1アマは操作範囲には空中線電力の制限がなく、アマチュア局に認められる電力の上限が適用される為、操作範囲に変更はありません)

移動する局とか50MHzより上の周波数は操作範囲での上限の他に出力を制約する規則やら省令やらがあります。

以上が資格的な変遷ですが、これとは別に、年々通信術の試験が簡単になり、最終的には実技試験がなくなっている為、揶揄的に通信術の無い時期の取得とか、和文やってない1アマをさして変な呼び方をする例も稀にあるようです。

検索語から「合成アドミタンス jwl」

さて、掲題の検索語が本日ありました。多分無線関係の受験で、特に”j”がついていますから1アマではないかと思います。

まずアドミタンスは通常Yという文字で表記することが多く、単位はSです。インピーダンスはZでこちらはΩです。

Y=1/Z

です。

もしZ=jωLなら、その逆数であるYは

Y=1/(jωL)=-j/(-j x jωL)=-j/ωL

となります。

電気回路の電圧・電流の関係で方程式をたてて解く場合に、回路の形によってはインピーダンスで計算していくよりもアドミタンスを使って計算する方が式がすっきりして解きやすい場合があります。

キルヒホッフの法則で、節(回路の交点)に流れ込む電流の総和が0であることを考えると、並列部分が多い回路では、それぞれの「支流」に着目するとアドミタンスを使って電流の総和を求めるほうがインピーダンスでゴリゴリ解くよりも簡単な場合があるということです。

たとえば、電源Eに並列に抵抗R, キャパシタンスC, インダクタンスLが並列につながっている回路があるとして、回路を流れる電流Iは、それぞれの部品を流れる電流Ir, Ic, Ilの総和になりますから

I=Ir+Ic+Il

です。ここでそれぞれの電流は

電流=アドミタンス・電圧

なので

Ir=E/R

Ic=E・jωC

Il=E・-j/ωL

より

I=(1/R + jωC -j/ωL) E

となり、回路の合成アドミタンスYは

Y=1/R + j(ωC – 1/ωL)

です。

 

共振条件で合成インピーダンスの虚数部が0になる、という覚え方をされていると思いますが、アドミタンスでも同様に共振条件を導くことができます。

Z=a+jbとすると、共振条件はb=0です。このZをアドミタンスYに直すと

Y= 1/Z = 1/(a+jb) = (a-jb)/(a^2+b^2)

となりますから、この虚数部は -b/(a^2 + b^2) となって、b=0であれば虚数部が0となります。(こんなことを書くよりは虚数成分で電圧と電流の位相の差がなくなるのが共振と覚えると、ZでもYでも虚数部が0であればよいということになりますね)

検索の意図と違うかもしれませんが・・・

 

以下余談です。

私もどうしてもインピーダンスで解く方が好きというか、慣れてしまっているため、学生の頃も1アマを受けた時も、いつも基本的にはインピーダンスでゴリゴリ解いてきました。

交流回路系の問題をこなしていると、どのような場合にどちらを使うと楽かピンとくるようになると思いますが、多くの場合はZで解いてもYで解いても出てくる答は同じです。どちらかだけで解いてしまうのもとりあえずは受験対策となると思います。

検索語から「3アマの勉強方法」

私が免許を取った昭和50年代前半は、アマチュア資格は、上から

1アマ
2アマ
電信アマ・電話アマ

で、1,2アマが上級、電信と電話は初級アマで出られるバンドも空中線電力も電信と電話では差がありませんでした。

確か電信級が3アマ、電話級が4アマになった頃に3アマは空中線電力上限が25Wになり、その後上限50Wで18MHzにも出られる様になったそうです。
と言うのは私がJQ1プリフィクスで再開局した頃はまだ18Mhzはアマチュアには免許されてませんでしたので、QRTにはいった後のことはよく知らないのです。

私の資格遍歴は

電話→翌年電信級申し込んだが学校休めず棄権→2年後2アマ→30年QRTの後1アマ

で、全部国試。

ですので、電信級や3アマは持ってないのですが、昨年、抜けてるのはちょっと悔しいと考え、上級資格所有は下級資格取得の欠格事由にはあたらないので、東京で当日試験を受けようかとも考えました…一応問題レベルの確認をしとくために、CQの直前総まとめは買ってみたことがあります。

昔の電話級の記憶と、1/2アマ資格持ちから見た意見なので、これから取得されようという方に参考になるかどうかはわかりませんが、前述の本を見た限りでの問題レベルや出題範囲などについてのコメントです。

4アマからのステップアップと考えると、大きな違いは無線電信が出題範囲に入ることです。

工学では、電鍵操作に関する回路系の問題が出ます(波形を見て、どんな故障があるかを回答するような問題)。
また、4アマに比べて出力が上限50Wになる事から、電波防護に関する内容が工学・法規とも出題されることがあります。50Wは昔は2アマが必要な出力でしたから当然と言えるでしょう。

法規では、モールスに関する問題と、通信憲章・無線通信規則に関する問題が追加で出ます。

問題のレベルとしては4アマと大きな差は無く、出題範囲が広くなることに注意すれば比較的楽に合格できるのではないでしょうか。

昔の電信級に比べて3アマはずいぶん恵まれていますが、もし海外との交信に興味があれば、14/10MHzを使うための、さらに上にステップアップするための通過点と捉えた方が良いです。

勉強方法としては、丸暗記系でもなんとかなるレベルですが、上級アマも将来狙いたい場合は、特に工学では式を立てて計算するとかの癖をつけた方が良いです。オームの法則や出来ればこの段階でキルヒホッフまで学習しておくと良いのですが。

また送信機受信機に関する問題では、実は1アマ2アマでも選択肢の紛らわしさ以外はそれほど変わらないレベルの内容が問われるものが少なくないです。

モールスは上級の法規ではサービス問題ですから、しっかり覚えて、忘れる前に上級に挑戦されてください。

沖縄の電離層とMUFのセカント法則

普段、Es(スポラディックE層)を期待して50MHzをワッチに行くかどうか考えたり、夜、どのバンドに遊びに行くか検討するときに、NICTが出しているイオノグラムの報告を観に行きます。

http://wdc.nict.go.jp/ionog/ionogram/nowpng/allsite.html

もちろん、Esが出ていてもそこにつながるという訳でも無いのですが、Esがどっちに動いていてどのあたりにいるかを推理しながら考えるのです。

たとえば先ほど見に行った、今日の深夜の国分寺での測定はこんな感じです。

ionogram説明

 

私が理解している範囲でこのグラフの見方をさっくり説明するとこんな感じです。

ionogram説明記号入り

まず、これを書いているのは5月末ですから、初夏の電離層の状態です。日夜問わずEs層がある程度発生しています。冬場の日中に見ると、D/E層も観測できます。

強い電離層(あるいは厚い電離層)は、測定の時にエコーが発生して2倍・3倍などの高さにエコー像が出てきます。季節や時間帯などによってはF層のエコーも見えることがあります。

最近稚内の測定装置が故障しているようなので比較の図を入れませんでしたが、関東と比べると稚内は10MHz以下の範囲などで測定される電波の強さが弱いのです。これはノイズが少ない環境だからだろうと踏んでいます。

この測定の時には、以前は真上に電波を発射して反射を測定していたそうですが、最近は斜め上に入射させるのだそうです。

さて、これを見ていると、特に沖縄あたりでとても強烈なEsやF層が発生することがあります。もちろん、関東や九州、北海道の測定データでも発生するのですが、沖縄での頻度は他を圧倒しています。

okinawa

これ↑は5/20の午前中の強力なEsが沖縄に出ていた時です。18MHzあたりまでは割とはっきりと約100kmのところに反射があるのが見て取れます。上は25MHz近くまでいっています。

同じ日の午後はこんな感じでした。

afternoon

Esが弱めになり、各地でF層が観測されています。このあともう一度Esが強くなって、今度はさらにF層が強くなって「臨界周波数」が高くなりました。

臨界周波数というのは、90度に電離層に電波を入射させたときに反射されるかされないかの境界の周波数の事です。

ちなみに今年1月の中旬の沖縄ではF層がこんな具合でした。

OK426

お昼頃ですが、D/E層の上のF層がかなり強くて、臨界周波数が15MHz近いですね。

 

こんなんを見ていると色々空想したりもします。地面に置いたダイポールで沖縄では50MHzのEスポ使って九州と交信できるんじゃないかとか。

そこで思い出すのが、多分上級ハムの資格を受験された方は一度は覚えたはずのセカント法則です。


ただし

θは鉛直(垂直)を0とした電離層への入射角です。

50MHzの電波がこの臨界25MHzのEs層で反射されるには、cos θが0.5, つまり60度で入射すれば良いのですが、この時Esのみかけの高さを100kmとすると電波の発射点から反射点までの水平距離は√3倍になるので約170km、つまり340kmとなります(地表の曲率を無視してます)。

つまりEsの反射で350~400km程度離れたところと50MHzでQSOできちゃうんですね。
ここでこのF層が15MHzあたりまで臨界があがっている状態を考えると、こいつで50MHzが反射されるためには、sec θ = 3.4 ですから、約73mう度です。つまり大地からのテイクオフ角度が17度になるようにビームアンテナなどで電波をぶつけてやると、沖縄のこの電離層(1月のもの)は50MHzを正規反射で反射してくれて、一回の跳躍で2000kmも跳ねてくれることになりますか。(300 x tan(arc cos (3.4))がおおよそ1000程度)

実際には曲率があり、多分等価半径で考えても1000km離れたところからこの角度はきついかもしれませんが、50MHzでヨーロッパまで飛んだりするときは、こういうF層の反射数回と、その途中でEsが運良く発生してうまく跳ねてくれたりする必要があるんでしょうが、とんでもない偶然が積み重なっているんですね。

無線運用してて意外に使えるのがこのセカント法則の式なんですよねw

あんまり受験の参考になるかどうかはわかりませんが、ひさびさに多少は受験に関係あるネタなのでカテゴリーは「1アマ」「受験」としておきます。

2016.4の一アマ工学問題を見て

(もし2017年4月以降にこれをお読みになる方は、日無のサイトから問題と解答がなくなっていますが悪しからず)

先日行われた工学の試験問題を眺めてみました。(法規はパス(笑))

http://www.nichimu.or.jp/kshiken/siken.html

さっと見た限り新問はなさそうに思いますがどうでしょうか。

いやらしい問題は、定義うろ覚えだと悩むA1とA25, 選択肢次第でどちらとも回答できかねないA14,混変調と相互変調と紛らわしいA16くらいかなと思いました。(新規問題があったらすみません、忘れている問題もあります)

また、確か去年新規で出たパズルの様な抵抗ネットワークの合成抵抗の問題がありましたが、誘導がついているので、それを追いかければ正解しやすいはずです。

A1は私の嫌いな磁界の定義の問題です(笑)。その場で考えると、球の表面積が 4πr^2なので磁極の16πを表面積で割って 16π/(4πr^2)=1, r=2としてしまいそうです・・・がこれでとりあえず回答はあっているようです(ほっ)計算方法これでいいかはおいといて。(おい!)

A25は計器の精度1級の定義を覚えておけばオーケー。こういう定義は試験直前に確実に頭に詰め込みましょう。

A14ですが、中間周波増幅の役割です。ここには中間周波トランスを同調回路にしたり、別途フィルターを設けたりして選択度を稼ぐのですが、どの選択度かというところが悩ましいですね。近接信号の選択度もあがるし、また、イメージ混信に対する選択もこの中間周波増幅回路が高周波増幅の特性と一緒に決めています。(たとえば、目的信号をf0, 局発をfLとして fo-fL, fo+fLが近い場合はここのフィルターの特性が悪いと落としきれないことがあり得ます。ただ、

(以下追記)イメージ混信はIFをfI、局発をfLとして、fL+fI, |fL-fI|の二つの周波数を受信してしまう混信で、一般には高周波増幅などの回路で選択度を稼ぎます。fIが低い場合には中間周波増幅も聞いてこないともいえないのです。たとえばfL=900khz, fI=22kHzとすると受信周波数は922kHzと878kHzになります。これはあえて中波の帯域を選んでみましたが、878kHzを受信したいとして922kHzは44kHz離調しているだけ。922kHzは66kHzに変換されて落ちてくるのですが、これがイメージ混信になるか近接混信になるかです。こう考え出すと切りがありません。(最近の受信機だとまじで中間周波数が低いのありますよね) 問題でどれくらいの選択度があるイメージか書いてくれればいいのに。ともかくイメージ混信は混合前で選択度を上げると覚えておいて良いでしょう。

この問題の場合は選択肢でAの「混合器」とCの「向上」の組み合わせが一つしかない(選択肢4)のでそれを選べばOK。

A16は迷うとしたら1番と3番です。混変調は妨害1波で起こり、相互変調は妨害波間での和・差の話ですので、定義をしっかり覚えておく以外なさそうです。

 

さて、受験された皆さんはいかがでしたか?

私は毎回一応問題を眺めて「まだ解ける」というのを確認するようにしています(汗

必要無い方には忘れて良い知識かもしれませんが、持っている資格の試験問題はいつでも解けるようにしておきたい、と思っています。

1アマ2アマの問題集

3,4アマ向けは市販のものも結構あるのですが、上級向けの問題集は、書籍として販売されている問題集はさほど種類がありません。

CQ出版の過去問の問題集(2年に一度改定)か、精選400題のいずれかになるでしょう。準問題集としては、精選400題と同じ出版社から、計算問題の攻略と、優しく学ぶ何とか、というようなものが出ているようです。

参考書としては、CQの工学の解説とか上級ハムになる本、要点マスターなど。ちなみに上記の精選400なども参考書になります。

その他、定番の勉強サイトがありますので、そのようなサイトも参考書になります。

やみくもに本を読んでも、試験の対策にはなりませんが、かといって過去問丸暗記も如何なものかと思います。

お勧めの学習法としては、数ヶ月〜半年程度の期間が必要になりますが、次のようなステップを経て学習を進めるといいように思います。

  1. 現有資格の勉強の復習…今持っている資格の学習に使った参考書や要点集で軽くおさらい。法規は効果的ですし、工学も基礎的な事項を確認できます。
  2. 上級資格の要点の確認…参考書を全部読むと飽きるし時間も足りませんから、要点マスターの様な本をさらりと流して、どの程度理解できるか確認。法規はここで知らない分野を確認しておいてください。多分、通信規則や予備免許、電波防護などかありがちです。
  3. モールス符号の学習の開始。普段使ってない方や、ペーパーの方は、一二ヶ月かけて、モールスを確実に覚えてください。
  4. 計算問題や回路系の問題が苦手なら精選400や計算問題の攻略で集中して学習、必要に応じ、参考書をみてください。法規はまだ突き詰めなくてOK。交流回路やデジタル、または自作が得意で回路が読める方ならこのステップは要らないかも。
  5. CQの過去問問題集やネット上の過去問サイトで過去問総当たり。法規はこの段階から要点をまとめて、本番数日前までに暗記。工学も法規も、何度も間違える部分は、最終暗記用に書き出して暗記リストを作ってください。回路系の問題は解くのに時間がかかり、また、反復が必要なので、この部分だけは、他と並行してなるべく毎日、回路系の計算問題に触れる様にしてください。
  6. 本番前1週間〜数日前から前日までは、暗記リストを眺めつつ、過去の一回分の試験を毎日1,2回分模擬試験の様に受けてみてください。
  7. 当日は、作成してある暗記リストを電車や会場でさらりと眺めてください。

過去の試験問題ですが、時折、一回分の試験(H26.4とか、そういう一回分)を解いてみるといいでしょう。目標は、9割正解です。また、どれ位時間がかかるかも測ってください。

過去問が9割解ければ、悪くても本番で7割解けて合格点に到達します。

0.9(過去問が9割正解できる) x 0.9(過去問の9割を解ける) x 0.9(本番で、実力の9割を発揮できる)=0.729

無理に短時間で解く必要はありません。ただし、過去問を自宅で解いて7割しか解けない場合はいくら時間をかけても、多分かなりの高確率で合格点に届かず、受験料が無駄になりやすいです。

安全圏は過去問を9割正解ですが、本番でミスが少ない自信がある方は、8割で何とかなるでしょう。

満点を取る必要はありませんが、満点を取るくらいの気持ちで準備して9割というところだと思います。なるべくハードルは高くしておくといいでしょう。