シュペルトップの不平衡電流

不平衡電流がどういう経路で流れることになっているのか。

同軸ケーブル使用のシュペルトップで短縮率をどうするのかという話がいつもでてきます。

短縮率派(67〜50%)は同軸本体の短縮率、あるいは外皮を込みにした同軸の短縮率ということです。一方で物理長1/4波長(導体の短縮率97%とか)という説もあります。

同軸の短縮率は、そこに流す信号が伝送路として芯線と網線を通る場合に効いてくるパラメーターだと理解しています(たとえば分岐導体の場合には不平衡電流は同軸を伝送路としていないので短縮率は導体としての短縮率となっているはずです)

JI3CSH局のブログに原理の解説図があります。


http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/703548/587346/74149505

この図面を見ますと、不平衡電流は、アンテナ側の中性点からグラウンドを経由して送信機に戻り、同軸外皮網線を通ってアンテナの給電点に向かっています。シュペルトップは、アンテナの手前で表皮効果で分岐させて、(電気長)1/4波長のオープンスタブでトラップさせているわけです。

問題は、そこに同軸ケーブルの短縮率が効いてくるかどうかです)。

この図の通りの不平衡電流の流れとすると、網線とグラウンドで形成されるグラウンドのループが不平衡電流の流れ道となっていて、芯線と網線による伝送路を通りません。ということは、ここには同軸ケーブルやその外皮の外側に網線をかぶせた時の短縮率はかかりません。

OMは、不平衡メーターを作成されていて、2m用の25cm(1/4波長かける0.5)程度の長さのシュペルトップを実験されて、効果なしという測定結果を書かれています。

http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/703548/587346/74518810

このことから考えると、やはり、1/4波長に導体の短縮率(97%)をかけた物理長が正しいと思えるのですが。

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「ヘンテナシュペルトラップ」という検索語

数日前から「シュペルトラップ」という検索語があります。

多分「シュペルトップ」のことかと思います。

シュペルトップなら、同軸の先端から1/4波長(長さは諸説あります)の部分に同軸の網線を被せてやれば良いので、バランにかかる費用は安く済みます。

また単一バンドだけならそれで十分ですが、将来他のバンドに使おうとすると単一バンド用で狭帯域(設計周波数の数パーセント)なので流用不可です。
ならケース代やコネクタ(レセプタクル)代がかかりますが、強制バランでも作ってやった方が簡単です。

トリファイラ巻で、#61材のコアに一本あたり250Ω程度になる様に巻き数を加減してください。(ただしろあまり巻き数が少ないとトランスとしての効率が下がるかもしれません)

あまり長く巻くと巻線の長さの影響が出たり、残留インダクタンスが延長コイルとして働く可能性があります。
それから上で「諸説あります」とかいたのですが、これは原理としてのスリーブ部分の長さは1/4波長となるのですが、何に対する経路なのかが分かりづらいので、以下の様な3つの説があります。

  1. 同軸ケーブル的動作をしないため、考慮するのは導体での短縮率(数パーセント)のみでよい
  2. 同軸ケーブルの中を通るので同軸ケーブルの短縮率(5D2Vなら67%)
  3. 同軸ケーブルの外被絶縁体を挟んだ被せた網線とケーブル内の網線ので形成されるあらたな同軸構造のケーブルとの間の短縮率(50%と言っている方々もいます)

本来同軸に乗られては困る電流(不平衡電流)が網線に流れるのを、表皮効果で外に付け足した別の網線に逃がし、それを1/4波長のトラップで止めると言う原理です。不平衡電流についてはペアになる線路が無い(分布定数回路にならない)ので、私は、短縮率なし(あるいは導体の短縮率)が正しいと思いますがいかがでしょうか。

同軸シュペルトップの長さ

波長短縮率かけるのかなとか思ってました。また一説では同軸外被と外部に被せた導体外套管とで短縮率がかかるとかいろんな説があるんですが、これ、やっぱり短縮率はかからないんじゃないかと思います。

表皮効果で外側を流れる不平衡電流は分布定数線路を通るわけではないと思うのです。掛けるとしたら導体の短縮率の97%とか、そっちの数字ではないかと思います。

それからhfでシュペルトップというキーワードでいらした方がいたようなのですが、原理的には可能です。

ただし、たとえば20mb用なら5m強の同軸に外套管(よくやるのは別な同軸から網線を移植)をかぶせる加工は大変な上、周波数依存性があるので、作ったバランはそのバンド専用になります。また、使用できる帯域が中心周波数の数パーセントということです。

それを考えると、フェライトコアを使った強制バランやインピーダンス変換トランスなり、フロートバランといった、広帯域バラン(コアの材質と巻き数、線の太さを選ぶことで、1.9〜50MHzで500W可能なんてのも作れます。50MHzで1kWだと個別に作ったほうが良さそうです)の方が、その後も使いまわしやすいし、コンパクトで実用的と思います。
材料費は、単バンドのみで考えると、ひょっとしたらシュペルトップの方が安いかもしれませんけどね。

でも個人的にはHFで2.5m以上も、外側に自己融着テープとビニールテープ巻いて防水したりなんてやりたくないです。